「縦向きの『ものさし』を横向きに置いてみよう」(本田晃一)。- <横向き>にひろがる世界観。

ぼくたちは生きていくなかで、じぶんのなかに、物事を判断する「ものさし」を構築し、それに従ってゆく。

なにがよくて、なにが悪いのか。

どうすべきか、すべきでないのか。

「ものさし」は、とりわけ親の「ものさし」である。

生きていくプロセスで、「ものさし」を構築したことも、それに従って生きていることも「見えなく」なり、それはじぶんの価値観・世界観そのものとなっていく。

「ものさし」は、じぶんに同化してしまうのである。

 

いろいろな物事が「うまくいっていない」ようなとき、このじぶんに同化している「ものさし」を、分離して、「見える」ようにすること、つまり<気づく>ことが、状況を好転させていくための大きな一歩になることがある。

そのようにじぶんを無意識のうちに縛ってきた「ものさし」を見直す方法として、本田晃一は、著作『はしゃぎながら夢をかなえる世界一簡単な法』(SBクリエイティブ、2017年)のなかで、つぎのような「とても簡単」な方法を提示している。

 

…いままで縦にして見ていた「ものさし」を横にしてしまうんです。
 上とか下をなくして、右左にしてしまう。上下の「優劣」の世界から、たんなるジャンルわけの世界に持っていくわけです。
「こつこつ真面目がいい」と「こつこつ真面目はバカだ」を横に水平に並べれば、どっちが上でどっちが下か、ではなくなります。たんなるジャンルわけになるので、そうすると、人を「ジャッジ」することがなくなってフラットな見方ができるようになるんです。

本田晃一『はしゃぎながら夢をかなえる世界一簡単な法』SBクリエイティブ、2017年

 

「縦向きの『ものさし』を横向きに置いてみよう」という本田晃一の「方法」は、「ものさし」イメージのしやすさと、<横向き>にひろがる世界観ということにおいて、とても魅力的である。

本田晃一は、この方法を「セルフイメージを高める」ことの文脈で書いている。

「セルフイメージを高める」なかで、ほとんどの人が「セルフイメージが高い自分=親の『ものさし』に合っている自分=親から認められる自分」という方向性にかんがえ行動してしまうことで、「ものさしの罠」にはまってしまうのだと、本田晃一は指摘している。

このように<横向き>にひろがる世界観のなかで、より自由に、ぼくたちは生きていくことができる。

 

この<横向き>にひろがる世界観は、世界で生きていくための「視点」をひろげていくという、ぼくの見方とも重なる方法だ。

じぶんの「内面」における「ものさし」だけでなく、この世界に生きていくうえでは、いろいろな価値観や世界観に、ぼくたちは出会っていく。

それらを、じぶんの無意識の「ものさし」に忠実にしたがって「縦向き」の序列をつけるのではなく、ひとまずは、<横向き>に取り入れてゆくことである。

「取り入れる」ということは、「そういう見方もある」と<横向き>に認めていくことである。

もちろん、<横向き>にひろがる世界観のなかで、じぶんがえらびとる視点、そして世界観・価値観がある。

大切なのは、それらを自由な仕方で「えらびとる」ことだ。

その意味で、無意識にじぶんを縛ってしまっている「ものさし」の内実に、いったん<気づく>ことが肝要になる。

 

ぼくは、日本の外で生きながら、ときに、じぶんの狭い「ものさし」に翻弄されてイライラすることもあるけれど、いろいろと周りで起こる物事やアイデアや現象を「そういうのも、ある」というように、<横向き>にひろがる世界観を楽しんでいる。

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ニュージーランドで、ぼくの歩行の先に、とまってくれる人たちに励まされて。- 気にかけ、<声>をかけてくれること。

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「文化的無臭性」(四方田犬彦)という視点。- 香港における「日本の小説やテレビ」を通してかんがえる。