香港で、「香港の歴史」を、一気にくぐりぬける。- 香港歴史博物館の「香港故事」。
「歴史が好きか、地理が好きか」と問われるならば、昔は「地理だ」と答えただろうと思うほどに、世界を移動した。
でも、今はどちらも好きだし、ある意味では歴史の方が好きである。
ここ香港の「香港歴史博物館」(Hong Kong Museum of History)にある常設展示「香港故事」(The Hong Kong Story)は、そのような「歴史」の好奇心に応え、また一層かきたてる展示である。
4億年前の香港から現代の香港まで、ぼくたちは、一気に、「香港の歴史」をくぐりぬけることができる。
ほんとうにゆっくりと観ていくのであれば、数時間はかかるほどに充実した展示である。
ぼくは大学時代、アジアを旅しながら、現地に到着すると、決まって「博物館」に行ったことを思い出す。
その土地に行って、その土地のことを知る。
それはとても楽しい時間のひと時であった。
生活する場合、そんな「学び」がついつい脇に押しやられてしまうことがある。
生活の土台をつくり、仕事で忙しくなり、あれよあれよと時間は過ぎていく。
毎日その土地にいるから、生活視点では、いろいろと観察し、あるいは人から聞いて学んだりするのだけれども、そこで止まってしまうことがある。
そんなとき、ふと、「博物館」に行ってみること。
それは、思っている以上に、いろいろなものをもたらしてくれる。
これまでの生活体験に、「歴史」の光をあてながら、納得することがあったり、教えられることがある。
旅で、初めての土地で行く「博物館」もよいものだけれど、ずっと生活していた土地のことを、じぶんの体験も重ねながら学ぶことは、違った楽しみと学びを得ることができると、ぼくは思う。
ところで、「香港歴史博物館」でぼくは、「煤氣風扇」(Gas operated fan)を見つけた。
19世紀後半のもので、もちろんすべての人たちではなく一部の人たちが使っていたものだろうけれども、このようなものを使って、香港の夏の暑さをやりすごしている情景が思い浮かぶ。
そのときから百数十年のうちに、香港も、そして世界も、一気に「発展・成長」を遂げてきた。
果たして、この先の「歴史」は、どのようにつくられ、あるいは人はそれをつくってゆくのだろうか。